出前「美術展」
(触れて鑑る浮世絵展)
(募集対象:府内高等学校、高等部のある盲・聾・養護学校)

 平成10年に『歌川派門人会』から大阪府へ寄贈された浮世絵を開催希望校へ出前して美術展を実施しました。
歌川派門人会は、今日の社会に日本文化の真髄を復活することを目的とし、初代会長五井野正氏が、海外のアカデミシャンや画家、研究者、コレクター、愛好家等に呼びかけ、平成2年8月に発足させた文化研究の団体であるということです。五井野正氏は「作品はちょっと破損したり、一部が焼けたりしているが、すべて江戸期の歌川派の本物で、資料的価値は高い。浮世絵は本来手で触るもの。実際に手で触れたりして教育に使ってほしい。」と語り、平成6年から、国内外の学校や美術館等に1万枚の浮世絵寄贈計画を立てて実行して来られました。
展示された浮世絵は、1820年代から幕末にかけて作られたもので、美術品としても、文化財としても貴重な作品です。本物の浮世絵を触れて鑑賞することで、日本美術の素晴らしさを理解してもらうのが目的です。

実施学校名実施日鑑賞者
科学技術学園高等学校
大阪分室
10月2日(木)〜7日(火)生徒、職員、保護者、一般市民
東大阪市立日新高等学校10月6日(月)〜17日(金)生徒、職員


東大阪市立日新高等学校では、展示だけでなく、「浮世絵の技法で自画像を描く」というテーマで1年生の授業の中でも活用をしていただきました。

(科学技術学園高等学校大阪分室 感想文より抜粋)
・貴重な作品を目の前でゆっくりと鑑賞させていただきました(びっくりしました)。これからも色々な作品を見せて欲しいものです。 (女性・50代)
・歴史的な芸術作品を見られて感動しています。
実物の木版画の良さ、暖かい落ち着いた精巧な技術は何度見ても感心します。(男性・60代) ・保存状態も良く、手で触れてもいいと言われたのが素直な驚きです。色が美しく、色の数が多くて、どれほどの時間がかかって刷られたのだろうと思うと気が遠くなりそうです。ぜひ来年も見てみたいです。 (女性・40代)
・浮世絵をガラス越しにではなく、じかに近くで鑑賞できてよかったです。絵を描いた人・版木をほった人・刷った人はどんな人であったか、色使いをどうしたか、そんなことを思いながらみました。点数は少なかったのですが、濃い時間がもてました。 (女性・60代)