芸術振興事業についての報告(平成19年度)

本連盟では、府内高校生の芸術文化活動の健全な発展に寄与することを目的として、芸術振興事業を実施しております。募集要項を各学校に送付いたしますので、ご検討の上、ご応募をお願いいたします。


出前「音楽会」
(募集対象:府内高等学校、高等部のある盲・聾・養護学校)

想定しているのは、全校規模の音楽鑑賞会ではなく、教室や小ホールを利用した小規模の音楽会です。音楽の授業での実施も可能ですし、希望者だけの鑑賞会でも結構です。演奏を目の前で鑑賞することで、演奏家の息づかいや表情まで身近に感じることができると思います。生の音楽を聴く驚きや楽しさを味わってもらうのが目的です。
1校につき5万円の演奏料を本連盟から補助しております。ご希望の演奏内容をお知らせいただければ、演奏家の斡旋もいたします。
実施学校名実施日演奏内容演奏者
府立たまがわ高等支援学校10月11日(木)和太鼓演奏と
ワークショップ
和太鼓「楽座」
府立狭山高等学校11月2日(金)
11月19日(月)
11月22日(木)
クラリネット・
フルート等様々な
楽器による演奏
MUSEなでしこ
   &やまと
 
天王寺学館高等学校12月17日(月)ヴァイオリン・
ピアノ
松浦梨沙、松浦亜季
府立桃谷高等学校
(夜定・V部)
12月21日(金)木管五重奏Klares Quintet

木管五重奏(府立桃谷高等学校)

(天王寺学館高等学校 聴講した生徒の感想より抜粋)
・ヴァイオリンの生演奏を聴いたのは初めてでとても面白かったです。ヴァイオリンはピアノとかなり演奏方法が違うのがよくわかりました。その演奏方法がとても興味深く面白いものでした。もちろん曲の方もとてもきれいで感動しました。自分もピアノを上手に弾けるようになれたらいいなと思いました。
・とにかく凄かった。松浦梨沙さんはまるでヴァイオリンと一体化しているように見えた。 鑑賞していて、とてもおそろしかった。表現もとても上手でこんな少人数で聴かせてもらうのがもったいないと思った。
(府立狭山高等学校 感想文より抜粋)
・いろんな楽器を見たり聴いたりできて良かったと思いました。どの曲もとてもきれいで 感動しました。それぞれの楽器が持つ個性がいろいろなところで使われていて、すばらしい1曲の曲ができているのだと知りました。楽器って凄いと改めて感じました。今日素晴らしい曲をたくさん聴くことができて本当に良かったです。本当にありがとうございました。楽しかったです。
・それぞれの楽器についての説明もあり、その楽器のみでの演奏もとてもよかったのです が、やはり、楽器による演奏はいくつもの楽器があわさり、素晴らしい曲に仕上がるのだと思い、最初の曲と最後の曲は一層楽しく聴くことができました。またこのような機会を是非もうけてほしいと思いました。






出前「美術展」
(触れて鑑る浮世絵展)
(募集対象:府内高等学校、高等部のある盲・聾・養護学校)

 平成10年に『歌川派門人会』から大阪府へ寄贈された浮世絵を開催希望校へ出前して美術展を実施しました。
歌川派門人会は、今日の社会に日本文化の真髄を復活することを目的とし、初代会長五井野正氏が、海外のアカデミシャンや画家、研究者、コレクター、愛好家等に呼びかけ、平成2年8月に発足させた文化研究の団体であるということです。五井野正氏は「作品はちょっと破損したり、一部が焼けたりしているが、すべて江戸期の歌川派の本物で、資料的価値は高い。浮世絵は本来手で触るもの。実際に手で触れたりして教育に使ってほしい。」と語り、平成6年から、国内外の学校や美術館等に1万枚の浮世絵寄贈計画を立てて実行して来られました。
展示された浮世絵は、1820年代から幕末にかけて作られたもので、美術品としても、文化財としても貴重な作品です。本物の浮世絵を触れて鑑賞することで、日本美術の素晴らしさを理解してもらうのが目的です。

実施学校名実施日鑑賞者
科学技術学園高等学校
大阪分室
10月1日(月)〜14日(日)生徒、職員、保護者、一般市民
東大阪市立日新高等学校10月2日(火)〜15日(月)生徒、職員



東大阪市立日新高等学校では、展示だけでなく、「浮世絵の技法で自画像を描く」というテーマで1年生の授業の中でも活用をしていただきました。
(科学技術学園高等学校大阪分室 感想文より抜粋)
・本の写真やテレビで見るより、色づかいや線、グラデーションがとても美しく見ることが出来ました。それぞれの浮世絵に物語・躍動感があり、また繊細な衣装の柄や、気持ちのいい構図が素晴らしいと思いました。 (男子生徒18歳)
・昔のブロマイド的な存在という事で、大変色気のある作品が幾つもありました。色使いや小さい模様が描かれていて大変几帳面な方がお描きになったんだと思います。 (女子生徒18歳)
・細かい彫刻でいろいろな色づかいの多色刷りがすばらしいですね。初めて本物を見て、また手でふれさせて頂き良い経験ができました。 (一般見学者60代女性)
・江戸期の絵があんなにきれいな色で残っているのにおどろきました。2つの絵がつながっているのを知り、見方の角度も少し変わりました。 (一般見学者40代女性)






高校生のための劇団四季鑑賞会

(募集対象:府内高等学校の在籍生徒)

人気劇団のミュージカルを鑑賞して舞台芸術に対する理解を深めることを目的として、昨年度から新しく実施しています。今年度の演目は、『オペラ座の怪人』です。2月9日(土)昼公演と2月16日(土)昼公演の2回に分かれて、合計で10校40名が鑑賞しました。47校からの応募があり、抽選は今年度も激戦となりました。座席はすべてC席(通常料金3150円)でしたが、工夫された劇場設計のおかげで最後列からでも比較的鑑賞しやすい舞台となったようです。
(参加者負担:1000円と劇場までの往復交通費)